2010年08月17日

ジルコニアの威力

インプラント治療は、固定式で咬めればいいという時代から、高い審美性や快適な装着感、そしてメンテナンスのしやすさまでも追求しなければならない時代に突入しました。

ジルコニアは高いゴールを目指すためには必要不可欠な新材料で、様々な場面で活躍の場を広げています。

nyseta.gif 先日装着したジルコニアクラウンとアバットメント

ジルコニアはメタルと違って歯に近い色です。昔は1色のホワイトのみでしたが、現在では大半のメーカーで、イエロー系やブルー系など様々なホワイトの中から最もその患者様の口腔環境に適した色を選択することができます。

ジルコニアの用途は、大きく分けるとクラウンやブリッジのフレームとインプラント連結用のアバットメントになります。

metal-to-zeno.png メタルフレームとジルコニアフレーム

メタルでクラウンを作る場合、下地の金属色を隠すために不透明色をしかなければならず、それが自然な色調を作るための弊害になることが多いのです。色調を優先するがあまり、天然歯クラウンの場合、歯を削る量を多くしなければならないこともありました。
ジルコニアフレームであれば、直接透明感のあるセラミックを盛ることができるので自然な色調を得られやすく、当然歯を削る量も少なくすみます

もう一つの用途のアバットメントについては、ジルコニアのアドバンテージはとてつもなく大きいものになります。骨の中にあるインプラントとクラウンを連結するアバットメントの周囲には、骨がなく歯肉しかありません。しかもその歯肉はクラウン側にいけばいくほど薄くなるのです。元々アジア人は骨も歯肉もとても薄いので、アバットメントが金属色であれば、その色が歯肉を貫通して透けてしまうのです。歯質に近い色のジルコニアアバットメントであれば、透けたとしても明るい歯肉の色は維持され、周囲の天然歯とのバランスも取りやすくなります。

そういった、骨の裏打ちのない歯肉周辺部には、天然歯と同じように歯周ポケットのようなものが存在します。なので、プラークや歯石も沈着します。
ここ数年の報告では、メタルアバットメントに比べジルコニアアバットメントのほうがプラークが沈着しにくいという論文が発表されています。

まだ長期経過論文の少ないジルコニアですが、審美性、生体親和性、清掃性など、あらゆる面で評価が高い新材料です。
注意しなければならないのは、インプラント同様、エビデンス(科学的根拠)のないセカンド・サードメーカーがたくさん出てきていることです。
他メーカーの成分を模倣しただけで、自社で研究開発をろくにしていない無責任なジルコニア様の安価な製品が出回っていることも事実です。人間の身体の中に残してくるものですから、最高レベルの基準でなければなりません。

しかも、同じジルコニアを使用したとしても、フレームデザインやその上のセラミックの材質や色調など、最終的には人の手が加わるものであることを忘れてはなりません

もちろんこれは、インプラント治療、いや歯科治療全てにおいて言えることですが…。




posted by Dr.K at 10:40| 診療風景 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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